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窓辺の花。ユーモラスな花瓶。
シックな赤いテーブルクロス。
まるで青い空を装飾しているようです。

作家によって再構成された花のカタチ、花瓶の模様は心を躍らせます。

作品解説

「ああ、花びんに
花が挿してある絵か」と
通り過ぎてしまうと
もったいない

城ケ崎は
「花」に見えるものも
結果的に「花」に
見えるように描いているに
すぎないことがある

そもそも
人の目や脳はあるものを
「判別」する
以上の能力がある

テーブルクロスが
ほこりっぽい音楽室の
ピアノのニスの匂い
古びたの鍵盤布
流れていた音
を呼びさますかもしれない

深い緑に心細く
ひかれたピンクの線

曇った日に
船からながめた
断崖のつづく島
潮風の重い香り
鋭く鳴いていた海鳥の声

あるいは布以外の何かを
あるいは光以上の何かを
を想起させるかもしれない

かすれた線
厚ぼったいマチエール
それだけでも
昔、何かを見たときの
心のざわめきを
見つけられないか

城ケ崎の絵に
何を見るかは
「制限」されていない

鑑賞者は
記憶の宝箱から
出てきたものを
絵の中のものと置きかえ
再構築して楽しむ
「自由」があるのだ

見る日
見るとき
見る場所によって
この絵の印象は
まったく違ったものに
変わる

城ケ崎は
見えている画面に
見えていないものを
描いているからだ


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