はな
作品解説
鮮やかさを落とした
色が集まると
全体として
美しい色のハーモニーを
奏でる不思議さ
例えば
右の濃いグレーは
単色では重く
陰鬱なイメージだが
隣のあずき色や 深い緑
水色 やクリーム色
その周りに散りばめられた
水玉やストライプの模様と
響き合うことで
不思議なことに
明るく 鮮やかな印象を与える
あちらこちらで始まる
色のコーラスが
柔らかいフレームで囲まれ
広い空間に置かれることによって
そのハーモニーにまろやかさが
加わる
かくのごとく
細かい部分を丹念に
見ていると
その色が
その形が
その場所で作品を構築する上で
確かな役割を
与えられていることに気づく
城ヶ崎 悟の作品の味わいは
一筋縄では行かない